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SCS赤外線放射システムが硬化テクノロジーを改善

10月 7, 2022

SCS装置は、大学や研究所で使われる小規模なものから、大容量の量産用設備まで幅広くラインアップがあります。製造と品質に対する厳しい要求に応えるため、SCSは積極的に試験および検証、マニュアル化、プロセス最適化を進めており、これによって産業の最先端を走るお客様が最小の負担で安心してお使いいただくことができることを目指してまいります。SCSは、最新のトレンドや要件についての最新情報など、お客様に業界最先端の情報をお届けします。近年、赤外線放射 (IR) 硬化テクノロジーが注目を集めています。コーティング硬化サイクルが短いだけでなく、従来のオーブン硬化に比べて必要な床面積が小さくて済む可能性があるからです。

IR照射は、約700 nm~1,000 nmの波長の電磁波による熱エネルギーです。対流熱ではなく、IRエネルギーを使用して基材に熱を適用するため、機械内で熱風を循環させる熱風ブロワーが不要になるという利点があります。その結果、基材に熱を適用するのに必要な駆動部品が少なくて済みます。

IRオーブンテクノロジーは、一次的または二次的な硬化メカニズムとして湿度を含めるための補助にすることもできます。湿度の高い環境にすることにより完全な硬化が促進され、製品が硬化システムから出た後も硬化が継続します。湿度強化による硬化では、室温空気中での硬化システムに比べて外観および機械的な利点が得られます。

IR硬化テクノロジーはお客様にとって非常に重要であるため、SCSではSCS PrecisionCure TC (IR) およびSCS PrecisionHeatの2つの新システムを開発しました。これらは、硬化·コーティングテクノロジーを更に高度にしたものです。いずれのシステムも、加熱プロファイルデータベース、独立制御の加熱ゾーン、ピンチェーンエッジハンドリング、左右のコンベア移動、コンベア幅の電動調節、上下各4インチのパススルー高さ、二重壁の加熱エンクロージャ、入口/出口光学センサー、側面アクセスパネル、ヒーター熱暴走自動シャットダウン、排気インターロックセンサー、Windows®ベースのソフトウェアとタッチスクリーンモニター、SMEMAインターフェースを備えています。さらに、いずれのシステムもスタンドアロン装置として操作でき、またSCS PrecisionCoat選択的コンフォーマル & ディスペンスシステムと完全に統合させることもできます。

PrecisionCure TC (IR) サーマル硬化システムは、硬化プロセスに必要とされる信頼性と効率性を提供します。加熱ゾーン2つまたは4つのタイプがあり、各ゾーン12個ずつのセラミックヒーターにより均一なゾーン加熱を実現します。ゾーンの数は、お客様のニーズと設備のスペース要件に合わせて最適な時間と数量に基づいて計算されます。適用後、オプションの超音波加湿を備えたオーブンの場合、材料の熱硬化には4ゾーンのオーブンが理想的です。長時間加熱する必要がない材料は、2ゾーンのオーブンが最適です。

IR温度は、対流式加熱に比べて非常に精密に制御できます。PrecisionCure TC (IR) のその他のユニークな機能としては、ヒューマンマシンインターフェース (HMI) の基板位置インジケーター、標準の電動コンベア幅調節、特定の製品硬化パラメーターに適したシンプルな機器設計が挙げられます。PrecisionCoatシステムと統合すると、生産レポートも生成され、他の硬化オプションに比べて優れたコスト効率が得られます。

PrecisionCure TC (IR) には湿度制御のオプションがあり、超音波スプレーノズルと湿度センサーの搭載により、トンネルの相対湿度を高め、二次的湿度硬化メカニズムにより特定のタイプの材料の硬化時間を短縮します。また、タワーライト、温度プロファイリングと分析、IR基板温度監視、バーコードリーダー、左右のコンベア移動、コンスタントなラン処理のためのプログラム可能な自動幅調節といった一連のオプションも利用できます。

SCSのもう一つの新製品、PrecisionHeat IRサーマル予熱システムは、アンダーフィル材料のディスペンス前に基板を加熱するのに理想的です。2ゾーンシステムになっており、各ゾーン12個ずつのセラミックヒーターにより均一な加熱を実現します。最後のゾーンにはIR温度プローブがあり、加熱サイクル中にリアルタイムの温度フィードバックと温度制御が得られます。

このシステムは、プロセス中に熱を特定の領域だけに適用するのではなく、製品全体にエネルギーを適用して加熱·制御を行うユニークな設計になっています。加えて、PrecisionHeatは、温度感受性の材料用にステージ浸漬温度機能があります。アセンブリ全体を予熱すると、コンポーネントの過熱を防ぐことができ、熱膨張 (CTE) を制御するのに役立ちます。熱膨張は、複雑なアセンブリにおいてしばしば監視が非常に重要になります。

PrecisionHeatは連続稼働用に設計されており、メンテナンスのためのダウンタイムは最小限で済みます。このシステムで利用できるオプションには、タワーライト、温度プロファイリングと分析、バーコードリーダー、左右のコンベア移動、プログラム可能な自動幅があります。

実績豊富なコーティングイノベーションのリーダーであるSCSは、お客様のニーズにお応えするため、最先端のコンフォーマルコーティング、ディスペンシング、硬化および試験システムを提供することに注力しています。湿度と熱またはIRによる硬化テクノロジーが必要なコーティング材料については、SCSは2種類のIRサーマルシステムをご用意しています。これらは堅牢で信頼性が高く、お客様のプロセスの効率を最大限に高めることができます。SCS PrecisionCure TC (IR) サーマル硬化システムは、硬化プロセス全体に必要な信頼性と効率を提供します。またSCS PrecisionHeat IRサーマル予熱システムは、アンダーフィル材料のディスペンス前に基板を加熱するのに理想的です。

詳細はscsequip.comをご覧ください。またはHans Bok (508.997.4136、hbok@scscoatings.com) までお問い合わせください。

Global Coverage 第92号, 2022年夏号


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