<< SCSブログを表示

サステナブルなコーティングソリューション

10月 24, 2022

コンフォーマルコーティングは何十年にもわたり、最先端テクノロジーの信頼性強化に貢献してきました。世界中がサステナビリティにシフトする中、製造メーカーは、保護性能を損なうことなく、環境に対する悪影響を最小限に抑えるコーティングを必要としています。超薄膜ナノコーティングは、非常に信頼性の高いサステナブルなソリューションとユニークな特性をもたらし、さまざまな個別のニーズに適合します。

ナノコーティングとは、数十~数百ナノメートルの厚さで適用されるナノスケールの超薄膜です。このコーティングでは、例えば耐腐食性、水分·湿気に対する保護、摩擦低減、汚染防止·抗菌性、自浄性、耐熱性·耐放射線性、熱管理といった、数多くの優れた特性が得られ、適用後の機能を向上させます。ナノコーティングのサステナブルな特性には以下のものが挙げられます:

  • 溶媒系コーティングに代わる、より環境に優しいコーティング
  • 完全に非毒性材料から製造されている
  • エネルギー消費量が少なく、揮発性有機化合物(VOC)を含まない
  • エコフレンドリーな製造をサポート
  • 低カーボンフットプリント
  • RoHS、カリフォルニア州法65、REACH/SVHCに準拠

パリレン、プラズマおよび原子層堆積(ALD)コーティングは、すべて薄膜適用であり環境に優しい属性を有するため、サステナブルなコーティングを実現しています。

パリレンは、室温の真空チャンバ内で生成される、コンフォーマルで、薄くて透明な不活性のコーティングです。触媒や浸出性材料を使用しない、化学的に純粋なコーティングです。防湿性·耐薬品性·高い絶縁耐力を付与することができ、生体適合性を有しています。性能、保護、耐久性を併せ持つナノコーティング固有の特性から、高周波数エレクトロニクス、NEMSおよびMEMS、圧力·温度センサー、ナノエレクトロニクス部品、ハイブリッド燃料システムエレクトロニクス、燃料セルコンポーネント、フレキシブルエレクトロニクス、オプトエレクトロニクス機器、バイオチップ、その他医療用エレクトロニクス機器といった、様々な用途の製品にとって理想的なコーティングです。

プラズマコーティングは化学蒸着(CVD)により成膜され、低電力消費で絶縁性の有機コーティングが得られます。疎水性が高く、化学物質と水分に対する優れたバリア性を提供します。プラズマナノコーティングは、民生用エレクトロニクスや補聴器、カテーテル、ガイドワイヤ、ステントといった多くの用途に適しています。

原子レベルの蒸着で形成される多層ALDコーティングは、有機薄膜と無機薄膜を組み合わせたもので、コーティング特性をさらに向上させ、より堅牢なソリューションを提供しています。ALDナノコーティングは、水蒸気やガスに対して優れた耐腐食性とバリア性能をもたらします。プリント回路基板、フレキシブルエレクトロニクス、MEMS、燃料セル、太陽電池、トランジスタ、薬剤送達、組織工学、インプラントなど、長期間にわたって極限環境でエラーなしに動作し続けなければならない用途に、優れた保護を提供します。

SCSのDr. Rakesh Kumar(テクノロジー担当バイスプレジデント)が先日、The Advanced Materials Showにおいてサステナブルコーティングについて講演し、パネルディスカッションに参加しました。Dr. Kumarの「Advances in Sustainable Nanocoating Technologies for Electronics and Medical Applications(エレクトロニクスおよび医療用途のためのサステナブルなナノコーティング技術の進歩)」と題する講演では、SCSのサステナブルナノコーティングソリューションと、これらがもたらすユニークな保護特性、この業界トップレベルの技術を活かしたいくつかのコーティング用途の例について議論が行われました。

ナノコーティングの詳細およびお客様の製品の保護とサステナブルコーティングの実現性については、SCSもしくは日本パリレンまでお問い合わせください

Global Coverage 第93号, 2022年秋