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バルーンカテーテル製造工程におけるパリレンコーティングされたマンドレルの使用
バルーンカテーテルを高い信頼性で製造することは、バルーン血管形成術、ステントおよび薬剤送達、経カテーテル大動脈弁移植術、アテローム切除術、腎交感神経除神経術、レーザーバルーン血管形成術など、数多くの重要な医療処置を支える重要なプロセスとなります。これらの低侵襲手術のおかげで、生活の質が大幅に改善され、患者の安全性の向上と回復時間が短縮が可能となり、さらに治療費が低く抑えられるようになりました。
バルーンカテーテルは、ポリマー製のバルーンの両端がカテーテルに取り付けられています。バルーンとカテーテルの接合には、直接熱圧着やRF溶接、レーザー加工などによる熱溶着が必要となります。いずれの場合も、使用時に必要となる高い膨張圧に耐えられる強固で信頼性の高い接合を実現するためには、カテーテルとバルーン両方の内側に硬い表面を形成する必要があります。正確なサイズのワイヤ成形用マンドレルを、カテーテルとそれに重なるバルーンに通して挿入し、熱溶着のためのアセンブリの準備を行います。
このワイヤ成形用マンドレルは、長さが数インチ~120インチであり、通常、医療グレードのステンレス鋼から作られ、他にも形状記憶合金 (ニチノール) などの特殊合金から作られた特別な用途向けの製品もあります。接合プロセス終了後、このマンドレルは、新しい接合への付着や破損を起こさずにアセンブリから引き抜かなければなりません。この除去プロセスは、一般的にパリレンまたはポリテトラフルオロエチレン (PTFE) のいずれかのコンフォーマルコーティングを、マンドレル表面に永久離型コーティングとして使用することによって、容易になります。
パリレンもPTFEもコストと性能は同等であり、数十年にわたり順調に使用されてきました。しかしフッ素系ポリマーの使用に関しては、人体への直接的・間接的な曝露に対する懸念が高まっています。PTFEはPFAS材料と総称され、PFAS市場の大部分を占める材料です。一方で、マンドレルに使用される最も一般的なパリレンのタイプは、フッ素やその他のハロゲンを含まないパリレンNです。
PTFEコーティングされたマンドレルワイヤを使用しているメーカーは、信頼性が高く、マンドレルでの使用実績のあるパリレンを使用することで、潜在的なPFASの懸念を回避することができます。真空蒸着コンフォーマルコーティングであるパリレンは、超薄膜で均一性の高いフィルムであり、重要な剥離機能を備えています。さらにパリレンは、高度なカテーテル技術で一般的になりつつある複雑なワイヤ形状や構成でも、均一にコーティングできるという点で有利です。
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