パリレンコーティングの概要
パリレンコンフォーマルコーティング
パリレンとは、パラキシレンから得られる一連のポリマーの名称であり、究極のコンフォーマルコーティングと言われています。パリレンコーティングは、室温で蒸着プロセスにより形成されるユニークな特徴を有しています。パリレンは化学的に安定な性質を有し、優れた水分・化学薬品・絶縁バリア特性を備えています。パリレンコーティングは温度安定性、機械的特性、引っ張り強さにも優れています。
パリレンコーティングのタイプ
- パリレン Nは完全な直鎖構造をもつ非常に結晶性の高い物質で、高い絶縁耐力を有し、周波数に関係なく低い誘電損失特性をもっています。
- パリレン Cは、電気的特性と物理的特性のバランスが良く、特に湿気や腐食性ガスに対するバリア性に優れています。
- パリレン Dはパリレン Cに似た特性を有していますが、より高い温度でも使用できる性質を持っています。
- パリレン HTは高温 (短時間なら450°Cまで) での使用が可能で耐紫外線性にも優れており、過酷な条件下で長時間の使用も可能になりました。
- ハロゲンフリーのParyFree®は、パリレンC相当の優れたバリア特性を提供し、現在利用可能な他のパリレン類に優る機械的・電気的特性を備えています。
パリレンコーティングの特性
- 均一な超薄膜フィルム
- 化学物質と水分に対するバリア
- 優れた電気的特性
- 優れた温度安定性
- 生体適合性
- ドライフィルム潤滑性
- ハロゲンフリーのオプション
SCSの特長
- メーカー & サプライヤー向けのワールドワイドな生産体制
- AS9100およびISO 9001認証コーティングセンター
- 製品部品承認プロセス (PPAP)
- UL (QMJU2) 認定
- RoHS、REACH準拠
- IPC-CC-830要件に適合
- 50年におよぶコンフォーマルコーティング実績
パリレンコンフォーマルコーティングの適用プロセス
パリレン蒸着プロセスは主に2つのパーツから構成されます。ひとつは「化学」、そしてもうひとつは「職人芸」です。パリレンコーティングは、専用の真空蒸着装置を用い、室温で実施されます。パリレンポリマー蒸着は分子レベルで行われ、フィルムは基本的に分子単位で「成長」します。この化学プロセスに、SCSがこれまで50年間蓄積してきた専門技術と知識から構成されたパリレンに関する「職人芸」を組み合わせることにより、パリレンによる保護と性能が完全かつ安定して実現されます。
パリレンコンフォーマルコーティングプロセスの化学プロセスと職人芸についての詳細は、こちらをクリックしてください。
パリレンコーティングのリワーク
パリレンはその性質から、化学薬品や溶媒に溶けないため、パリレンコーティングを施したコンポーネントは、他のコーティングに比べて手直し作業が難しくなります。 パリレンを除去する機械的手段はいくつかあります。最初に、エキシマレーザーなどのさまざまな除去技法を使用することから始まります。 コーティングが除去され、回路基板の修正が終わったら、アセンブリ全体にパリレンコーティングを再適用することができ、また必要に応じて別のコーティングを補修用に使用することもできます。