ALDコーティングの概要
ALDコーティング
原子層堆積 (ALD) は化学蒸着の一種であり、ガス状の反応物または前駆体を反応チャンバに導入し、基材上で化学表面反応を引き起こすことにより、Al2O3、TiO2、SiO2、HfO2の薄膜コーティングを形成します。結果として得られるALDコーティングは、完全なコンフォーマルコーティングとして、3次元の基材表面に直接、1層ずつ成長します。これにより、酸化、湿気、劣化に対する最適な保護が得られます。
ALD+パリレン多層コーティング
ALD+パリレンは、原子層堆積コーティングとパリレンポリマーコーティングとを組み合わせたもので、苛酷な環境からデバイスを保護する優れたバリア特性を提供する強化多層コーティングを形成しています。有機化合物のパリレンの保護と、無機化合物のALDコーティング (Al2O3、TiO2、SiO2、HfO2など) とを組み合わせることで、超薄膜コーティングによる堅牢な保護ソリューションが得られます。ALD+パリレンは蒸着によるコーティングなので、複雑な形状や小型のコンポーネントに対しても均一にコーティングでき、非常に薄いレベルでも、水や蒸気、気体に対するバリア性能を付与します。さらにこの多層コーティングは、抜群の機械的特性と優れた生物学的安定性を有しています。
ALD+パリレン多層テクノロジーは、独自のハイブリッド蒸着プロセスにより生まれました。ALDコーティングとパリレンコーティングの多層積層を、緻密に制御された層成長で適用し、合計1~10ミクロンの厚さにします。
ALD+パリレンコーティングの特性
- 均一な超薄膜フィルム (一般に1~10ミクロン)
- 酸化と湿気に対する優れた保護
- 生体適合性
- 優れた温度安定性
- 3次元形状適合性
SCSのメリット
- メーカー & サプライヤー向けのワールドワイドな生産体制
- AS/EN 9100 および ISO 9001 認証コーティングセンター
- 製品部品承認プロセス (PPAP)
- IPC-CC-830 要件に適合
- 50年以上におよぶコンフォーマルコーティング実績
ALDコーティングの修正作業
ALDコーティングは耐化学薬品性、耐溶剤性であるため、修正作業は困難です。修正作業が必要な場合は、研磨材やエキシマレーザーなどの機械的手段でコーティングを除去することが最適な選択肢となる場合があります。テクノロジー製品のコーティングを除去してから、修正や修理を行い、コーティングを再び適用することができます。